2013年8月6日火曜日

子どもは山へ放り出すだけでいい~養老孟司先生の教育方針~子育てに必要な「欠乏感」

最近、読売旅行2011年3月号を読んでいたのですが。
そこで、養老孟司先生が、子どもの教育方針について、面白いことを述べておりました。

まずは教わり方を学べ 子供は山へ放り出すだけでいい
 今の教育の欠点は、教育とは教え込むことだと思い込んじゃったことです。なぜ教室が荒れるか。
 最初になすべきなのは、教わり方を教えること。自分は何も知らないことに気づかせなくてはなりません。幸せな子供、お金持ちの子供がなぜ勉強しなくなっちゃうか。それは欠けたものがないから。自分が今の状況で生きていることが当たり前だと思っているんですよ。
 僕は福島の須賀川にある虫の科学館「ムシテックワールド」の館長を10年務めています。自然教室を開きますが、何も教えていません。子供は山の中に放りだすだけでいいんです。今のお母さんたちは心配でしょうけど。
 僕が小学生の頃は中央線に乗って、長野まで虫取りに行っていましたよ。戦後間もない頃で、車内買い出しの人でいっぱいでした。
(『読売旅行2011年3月号』 7p)

私はこの文章を読んで、すごく感心致しました。
「子どもを甘やかさない」のがなぜ大切なのかって、漠然しておりましたが、子どもに「私にはこれが足りない」「俺にはこれが出来ない」といった欠乏感を意識させることで、それを満たすために試行錯誤する意志が奮い立つような気がします。

決して強制ではなく、「足りない」と自覚し、それを満たすために自然と努力するようになるような。
そんな気がしましたね。

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